【204】国会にて、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和3年法律第37号)が成立し、2021.9.1から施行されております。多くの法律を一括して改正するもので、これまで紙媒体の文書を想定していた規定について、電子媒体を許容するなど、デジタル化が図られています。
例えば、受取証書(領収書、レシート等)に関する《民法第486条》に第2項が新設され、「電子的な受取証書」が認められるようになりました。概要は、次のとおりです。Q&Aは、こちら。
①改正前は、書面の受取証書の交付請求権、交付義務のみを規定していました。②今回の改正によって、弁済者は、受取証書(書面)の交付又は「電子的な受取証書」の提供のいずれかを選択して請求することができることとなりました。ただし、弁済受領者は、電子的な受取証書の提供を請求された場合であっても、不相当な負担となる場合には、その提供義務を負わないとされ、その請求に直ちに対応することが困難な小規模事業者や消費者などに配慮がなされております。
<参考>民法(明治29年法律第89号) ※今回、第2項を新設
(受取証書の交付請求等)
第486条 弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。
2 弁済をする者は、前項の受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。ただし、弁済を受領する者に不相当な負担を課するものであるときは、この限りでない。